第3回編集教室 電子出版ビジネスの「今」と「これから」~破壊ではなく創造へ~
開催日:2016年6月23日(木)
会_場:コミュニケーションプラザ ドットDNP 2階
時_間:18:30 ~ 20:00
講_師:林 智彦(はやし ともひこ)氏(朝日新聞社デジタル本部)
受講者:80名
1968年生まれ。1993年、朝日新聞社入社。「週刊朝日」「論座」「朝日新書」編集部、書籍編集部などで記者・編集者として活動。この間、日本の出版社では初のウェブサイトの立ち上げやCD-ROMの製作などを経験する。2009年からデジタル部門へ。2010年7月~2012年6月、電子書籍配信事業会社・ブックリスタ取締役。現在は、ストリーミング型電子書籍「WEB新書」と、マイクロコンテンツ「朝日新聞デジタルSELECT」の編成・企画に携わる一方、日本電子出版協会(JEPA)、電子出版制作・流通協議会(AEBS)などで講演活動を行う。今夏、初の著書『本を救うため、僕らに何ができるか(仮題)』を刊行予定。
「電子書籍」は出版業界にとって外すことのできないテーマです。多様なサービスが生まれ、プレーヤーが参画する中、最新の電子出版ビジネスのトレンドと、出版業界の行く末を、確かなデータをもとに、林 智彦氏に講演していただきました。
「出版業界が今、どんな変化を経験しているのか、より正確に理解することが大切です。そうした変化に対する「編集」とは、どうあるべきか、について考えていきたい。
キーワードは「デジタル・ディスラプション」であります。
デジタル・ディスラプション」とは、たいてい「破壊的」な、とか「デジタル破壊」と訳したりしますが、破壊ではなく、再編成するという意味合いなので、「破壊ではなく、創造する」というのが、今日のサブタイトルであり、講演の趣旨です」。
と語り始めた林氏は、膨大な資料とデータとプロジェクターを駆使して、以下のような項目で語っていただきました。
●デジタル時代に出版者・編集者はどう対処したらよいか
●まず、紙とデジタルの違いを比較してみる
●電子化と電子出版は似て非なるものと知ること
●バックミラー症候群に陥るな!
●デジタル・ファーストが大事
●「ハイブリッド・オーサー」論
●出版社・編集者は生き残れるか(「中抜き」はあるのかないのか)
以上、林氏の講演の一部のタイトルですが、このほかに、「ブリタニカの運命」「ディスラプションはこれまでも起きてきた」「出版の現状は、何が課題なのか」「自己出版刊行数が伝統出版と肩を並べる?」「書店は価値提案を変えることで生き残れるか?」etc、など、わずか1時間半の講演の中で、よくぞこんなに詰め込まれたものだと思うくらい濃密な講演で、聴衆を打ちのめしました!
(なお、今回の講演のデータ・資料は、先生のご好意で、以下にて閲覧いただけます。さらに、林先生から、今回の講演を聞き漏らした方のために、新たにお原稿をいただきましたので、追って本HPのトップの「著者に会いたい!」の欄に掲載させていただきます。)