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基礎から学ぶ編集講座
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中嶋嶺雄氏2月14日、肺炎のため秋田市の病院で逝去されました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
国際教養大学理事長・学長 国際社会学者 中嶋嶺雄氏 就職率100%。世界で活躍する人材とは 真のエリートを育成する教養教育

グローバル時代に求められる人材は、御校のような実践的な異文化コミュニケーションが求められる環境の中で育成されるのだということですね。一方で、大学は全入学時代を迎え、二人に一人が大学生という現実のなか、就職内定率は最低になるなど、大学の教育機関としての役割の再定義が声高に叫ばれているのですが、そのあたりはいかがお考えですか?

現在の大学教育の在り様は、エリート育成を放棄した戦後教育の限界が露呈した結果であり、ある意味必然だと思っています。大学が就職予備校と化してしまっては、学生の知的好奇心の芽も育ちませんし、世界へ飛躍する人材などは育成できません。
このままでは、どんどん世界における日本の存在感がなくなっていきます。世界を舞台に活躍できる人材を輩出できない理由を私は、「教養教育」をおざなりにしてきたからだと考えています。
世界で活躍できる人材を育てるには、何をおいてもリベラルアーツに力を入れなければならない。それが国際教養大学を創設する際の準備委員会の総意であり、私の決意でした。
21世紀は、これまで以上に知識が重視される「知的基盤社会」の時代であるといわれています。日本が21世紀の知的基盤社会を生き抜いていくには、卓越した語学力と幅広い教養をベースに、高度な専門性を身につけた世界標準のエリートの育成が欠かせません。
そこで大学に求められるのは、外国語も含め教養教育をしっかり身につけさせ、大学院ではそれをベースにさらに高い専門性を磨く。それこそ、あるべき高等教育の姿です。
教養は単に知識の量ではなく、人格形成とも深く関わっています。教養と格闘するからこそ、個性的な自己発見があり、それが高い専門生の獲得、ひいては世界で通用するエリートの育成へとつながるのです。教養教育の大切さはまさにその点にあります。
日本の教育は「知の鎖国」状態です。日本人の教師が日本の学生を相手に日本語で授業するのが当たり前なのだとすれば、優秀な留学生は日本に来ないでしょう。
グローバルスタンダードとはほど遠い「知の鎖国」から脱却しなければ、ますます日本は世界から置き去りにされてしまいます。

世界と伍する国際教養大学へ

企業は今、「世界ですぐに活躍できる人材」を求めています。繰り返しになりますが、それは単に英語ができるということを意味するわけではありません。英語ができるだけの人材なら、帰国子女をはじめたくさんいます。
企業が求めるコミュニケーション能力とは、単に外国語を操れるだけではなく、幅広い教養のもとに高度なコミュニケーションができる人材です。しかも、英語圏だけではなく、モンゴルでもアフリカでも臆することなく、その地で自分の仕事を切り拓いて行けるタフさが求められるのです。教養があれば、その人らしい視点や個性が生まれます。そうした魅力があれば、異文化環境であっても人の懐に飛び込んでいくことができます。
国際教養大学の学生は、大学生活において本気で自分と向き合いながら、寝る間も惜しんで英語や教養と格闘し、異文化のなかで生き抜くたくましさを身につけることで、目標を実現する力を養っていきます。
最近は海外で学ぶ日本人学生が減少していると言いますが、一方で本学の志願倍率は年々高くなっており、志願者も北海道から沖縄までの全国各地から集まっていますし、上位の難関校と併願をしているような若者も数多くいます。海外に行くのはイヤという若者もいれば、積極的に海外を目指して、そのために勉学に励みたいという若者もおり、二極化しているのではないでしょうか。
創設7年目を迎え、就職率の高さは私たちの教育方針の結果としてついてきたものなのであり、決して目的ではありません。しかし、それが達成できたことで、ひとまず第一ステージの目標はクリアできたのではないかと思っています。今後は国内だけでなく、国際的な教養大学として、世界と伍するレベルの大学に育てていきたいと思っています。
日本は東大でさえ、世界で第58位と世界的な評価はまったく高くありません。しかし、本学は規模こそは小さいですが、世界の一流大学と互角に競える大学にしていきたい。最近は海外の大学から多数の提携の申し込みをいただくなど、高く評価されています。本学がさらに国際的に飛躍することが、日本が世界で存在感を上げることにつながるのだと考えています。

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