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ライター 上阪 徹氏 プロフェッショナルの仕事 窶披€鐀 読者に幸福になってもらうために「相場観」を確認する

著書『プロ文章論』のなかで「相場観」という言葉が出てきますが、企画の方向性やターゲット設定ということだと思うのですが、ライターとして編集者と仕事をしていく上で「相場観」の擦り合わせをすることが大事とおっしゃっていますね。

まず、発注者の考える「相場観」がわからないと、ライターはいい仕事はできないと思っています。発注者の「どうしたいか」をちゃんと確認できるかどうか。僕が「こうです!」と思っても、発注者がピンとこないものをアウトプットしては意味がありません。その瞬間、「ナニやってんの?」ということになります。

逆に「こうしてくれ」という編集者からの指示がないと、原稿を上げたら「こんなはずじゃなかった」ということも起こりかねません。これは最悪の構図です。お互いハッピーじゃない。ちゃんとしたすりあわせを「忙しい」を理由にやらないでいると、それこそ仕事が二度手間になったりします。

だから、まず発注者がどうしたいのかを必ず確認して、それで「僕はこう思います」と意見を言って、ディスカッションしていいものをつくっていく。

たとえば、大物俳優にインタビューをすることになった、と。そうしたら、「何を一番読者に訴えたいですか?」「何かテーマはありますか?」と、発注者に聞いて打ち合わせをしておく。

『週刊現代』や『ゲーテ』など、メディアが決まっていれば、メディア特性はわかります。また、特集記事の仕事だったら、「他にはどんな特集がある?」「他に誰がインタビューに出る?」などを聞いて、内容が重ならないようにするように配慮したりもします。

Webの仕事でも基本は同じですね。「そのページに来るまでにユーザーはどういう導線で来ますか?」「どういう目的で来ますか?」を確認した上で、仕事をすすめています。

編集者の仕事を肩代わりしているみたいですね。

でも、そのほうがラクでしょ?(笑)クレジットとかリードまで書いちゃったことがあって、「上阪さん、それ、編集のシゴトですっ!」って言われたこともありますけど(笑)。
僕はフリーになってから今まで、一度も営業したことがないんです。とにかく為すがままに仕事をしてきたんですが、それはアウトプットが最大の営業ツールだと思っているからです。自分にできることは、目の前にある仕事を精一杯やるだけだと。

今、思えば幸運だったと思うのは、仕事を広告から始めたので、ターゲットを頭に浮かべて仕事ができるということかもしれません。

当時、作っていた求人広告は、翌週には「何名、応募が来た」と効果がすぐに出てしまうので、ものすごい緊張感を持ってやっていました。そこで緊張感を持って作ることが鍛えられたから、フリーになっても細かく発注者にも「ああだ、こうだ」と言えるのかな、という思いはあります。

一時期、編集の仕事もやっていたことがあって、ライターに発注していたこともあるんですが、「こうすれば、ちゃんとした原稿が上がってくるんだ」がわかるようになりました。編集者はライターの仕事をしてみるといいんですよ。お互いの仕事の領分がわかってきて、何が自分に足りないかもわかってきますから。

読者は「読んでくれない」

そもそも、起承転結は気にせず、「出だしのインパクト」を重視して原稿を書くそうですね。

基本的に読者は読んでくれない、と思って書いているんです。だって、雑誌を読むのに、前のめりになって読んでいる人っています?(笑)

求人広告の仕事をしていたとき、集合媒体でしたから読者はシビアでした。パラパラめくって気になるキャッチフレーズがあればそこで止まってくれるんですが、1行目がつまらない出だしだと、もう次のページに行ってしまう。みなさんも、読者だったらそうですよね。特に、広告のボディコピーなんて読まない。だから、読んでもらうためには、どうしたらいいかを考えるんです。

その「読んでもらえない」という視点、大事ですね。

ネットも同じです。タイトルとか、写真、1行目でつかまえないと、読んでもらうという目的は達成されないと思います。

僕は子供の頃、作文が大嫌いだったんです。起承転結みたいなもので、「型」にはめられるのも苦手で。でも、仕事になって「いい原稿って何?」を考えたら、それは読者が飽きずに一気に読んでしまう原稿だと思ったんですよね。だから、出だしのインパクトがあって、途中、展開を変えて一気通貫で読ませる。それで読者に利益を与えるというのが、僕の仕事だと思っているんです。

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