理事長挨拶

当協会は1983年４月28日に設立されました。2023年で40年になります。

　創設時の会報（１号）で、初代理事長の菅野尚氏は、「もはや、編集プロダクションは出版界の『黒子的存在』ではなく、版元ともどもに共存共栄をはかる『パートナー的存在』に変貌しつつある」「それぞれに特色ある編集プロダクションが、斬新な企画を生み、すぐれた編集技術を駆使するとき、低迷を続けている出版界は活性を取り戻すに違いない」と述べています。
　その基本姿勢はいまもまったく変わっていません。しかし、40年後の今日、業界は大きく変容し、我々もまた、それに連れて、新しい環境への「適応力」を身につけてきました。
　かつては紙の出版物を中心とする取次－書店ルートの業界が「出版界」といわれてきました。
　しかし、デジタル化、IT化の波によるだけでなく、コンビニ・生協・直販・通販・家販・ネット販売も含めて、業界は急速に多様化しています。
　いままで「出版」の一分野としての位置にあった「編集」は、逆に「出版」が「編集」の一つの分野となり、デジタル・IT 媒体等の拡大とともに、情報加工としての「編集」は、仕事内容・領域が大きく広がりを見せ、また成長してきています。
　その意味でも、我々40年の歴史を持つ「日本編集制作協会」は、媒体が多様化するにつれ、そのノウハウと実績力がますます必要とされ、さらに重要な任務を与えられています。
　協会のスタートは、はじめは会員間の親睦と交流、業界内外の情報交換が中心でした。しかし、いまや「一般書部会」「教材部会」「デジタル部会」「企業出版部会」と、会員の特性による分科会を設け、各種の勉強会・セミナーを開催しています。
　さらに、会員社のレベルアップと強化・拡大を目的に、「経営委員会」「広報委員会」「組織委員会」「教育委員会」を組織し、「経営セミナー」「経営合宿」の開催、「会報」「会員ガイド」の発行、「HP・Facebook・Twitter」の発信、「編集プロダクションフェア」の開催、年８回にわたる「編集講座」の運営など、幅広い活動を積極的に行っています。
　これらのさまざまなイベント・活動を通して、日本編集制作協会は、自分たちの企画力・編集力・制作力の「武器」をつねに磨き、さらに広い意味での出版業界や出版文化の発展・向上に貢献しています。
　これからも、時代や業界がどう変わろうとも、私たちは、あらゆる業界の「編集のパートナー」として、日々「編集のプロ」としてのノウハウと研鑽を積み、皆さんの期待に応えてまいります。

一般社団法人　日本編集制作協会
理事長　小林哲夫（株式会社エディット）