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教材部会&デジタル部会

開催日: 2017年1月19日(木)
時間: 18:30~20:00
場 所: TKP市ヶ谷カンファレンスセンター
参加人数: 39名
テーマ: 「デジタル教材の現状とこれから」
講師: 高野 勉氏(東京書籍ICT事業部部長)
 教材部会とデジタル部会の合同部会ということで、現在の教材業界で、最も関心深いテーマの「デジタル教材の現状とこれから」をテーマに講師には、高野 勉氏(東京書籍ICT事業部部長)にお願いし、デジタル教材の現在と未来を語って頂きました。
2017年の新しい年を迎え、会員社の皆さんには大変お忙しい中、39名の方に集まって頂き、大変盛況な部会になりました。学校現場でのデジタル教材の使われ方や、制作段階での使用ソフトの問題などが説明されました。
 「デジタル教科書は平成23年度の小学校から始まり,平成23~25年の小・中・高校用デジタル教科書は第一世代という位置付けとなります。最初はほとんどが教科書をPDF化した程度でした。

 第二世代は平成27年度の小学校からとなり,EPUB(イーパブ)の技術を駆使して動画やアニメーション・シミュレーションを多用したリッチなデジタル教科書が各社から登場しま
した。文部科学省が推し進めたことと,EPUB3のバー ジョンで日本語組版に対応したことが要因であると思われます。

 ただし,第一・第二世代とも指導者用のデジタル教科書がメインとなっており,学習者用は指導者用の一部のコンテンツを抜き出したようなものとなっています。文部科学省が進める「デジタル教科書」は学習者用を指すとのことなので,真の「デジタル教科書」は次世代に誕生すると思われます。

 デジタル教科書のメリットは多く,教科書では載せきれない資料などを豊富に入れられたり,写真や図表を拡大できることも大きいのです。さらに,タッチパネルを使用することで直感的に操作できるので,機械操作に不慣れな人でも受け入れやすくなっています。特に大きなメリットは,障がいのある人や外国人の子供向けにも柔軟に対応できる点であると思われます。
 文字の大きさ,漢字のルビ,分かち書きの設定を容易に変更できる点や音声読み上げがそうです。さらには,教科書のどこを見るべきかをデジタル教科書を映した電子黒板で写すことで、児童・生徒に指示の徹底ができる点も挙げていました。

 制作技術的な問題点としてはFlashとHTML5の違いなどです。すでにFlash廃止論が出ているので、今はFlashではなくHTML5が主流となっていますが、アドビ社がHTML5対応のAnimate を2015年に発表し可能性が見えてきました。FlashからHTML5への移行も可能性もありますし、まだまだ解決すべき問題が多々ありますが、確実にデジタル化に向かって進んでいくでしょう」
 まさにデジタル教材の現在とあるべき方向性を的確に語ってくださいました。
 高野先生は、この講演のために、A4カラーで75ページにも及ぶ資料と、DVD(デジタル教科書/掛図・平成27年度・小学校体験版)をご用意してくださいました。先生の良いデジタル教材を作ろうとする情熱は、その後に開催された懇親会の席上でも尽きることなく語られました。先生、ありがとうございました。

2017年1月26日
デジタル部会副会長
大坂日出男

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